2007年10月 8日 (月)

爪を作る

世の中は連休ですが、特に関係もなく・・・。
今日は、上越の中嶋和楽器店の中嶋さんご夫妻がいらして、母と4人で琴爪作り。中嶋さんにちょっと削ってもらっては試し弾きをしている母に対し、私は二十五絃箏用の爪を作りました。

ちなみに「琴爪」とは、箏を弾くときに右手の親指・人差し指・中指にはめるピックのようなものです。象牙で出来ていて半永久的に使える(古くはなるけど)爪の部分と、爪皮(消耗品)をくっつけて出来上がり。簡単なようでいて、作り具合によっては微妙に弾きやすさが違ってくるので大事な作業です。
今日は、写真付きでその過程をご説明。

Tsume1 爪(下)と爪皮(上)




Tsume2 ボンドをつける。

※つける場所は、爪の方だったり皮の方だったり、個人の好みによりけりです。私はなんとなく爪派。
それと、ボンドじゃない人もいるので、それも好み。



Tsume3 出来上がり!

超簡単な説明でしたが、大まかにはこんな感じです。
ちなみに、この四角い爪は「生田流」の爪です。先が丸い「山田流」の爪もあります。

最後に、中嶋和楽器店の中嶋さんです!

Nakajimasan
本当にお世話になってます。
こっちが心配するほど商売っ気が無くて大らかな中嶋さんと、いつもニコニコで中嶋さんをいい感じにフォローしてる奥様の明美さん。良いご夫婦なのです。
これからも、よろしくお願いします。

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2007年7月30日 (月)

昨日の日曜日は、母が主宰する松の実會のゆかた会でした。
夏なので皆でゆかたを着てのおさらい会です。
私はいつもの如く、離れた部屋でひたすら調絃(チューニング)の係でしたが・・・。

その時に、琴光堂さんのきい君に糸締めをしてもらいました。
箏は13本の糸が張ってあるんですが、その糸を張る(締める)のが難しいんです。均等にしないとダメだし、個々に好みはありますが、ユルユルに締めても良い音はしないし。技も力も必要で本当に難しいのです。

で、きい君の仕事中に写真を撮らせてもらっちゃいました。
何しろ早業なので、シャッターチャンス!と思ってから押しても遅い(笑)
だからと言って「ちょっとそこでストップ!」というわけにもいかない。
その割には良い写真が撮れたと思うのですが・・・。

Itosime1
楽器の右側から伸ばしてきた糸を左手で持ってる締め棒に巻き付けて、てこの原理を使ってグーーーッと糸を引っ張ってます。で、右手で他の糸と同じ張り具合かどうかをチェックしてる図。

Itosime2
締めた糸を手前に持ってきてる図。私のようにヘタな人は、ここで糸が緩んで失敗に終わる。

Itosime3
最後の仕上げに他の糸とまとめて輪を作っている図。これも簡単なようでいて美しく仕上げるには難しいのです。

この写真では、いかに糸締めが難しいかがよく分からないと思いますが、本当に大変なんです。今は糸も丈夫なものになって、そうそう切れたりはしませんが、締め具合によっても弾きやすさも音色も変わってくるし、とても重要な技です。
今回モデルになってくれた琴光堂さんのきい君、どうもありがとうございました。

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2007年5月12日 (土)

二十五絃箏の糸調整

この前レッスン中に、二十五絃箏の糸の調整法の話になりました。
二十絃箏も二十五絃箏も、教則本みたいなのがでているわけではないので、初めて楽器を手にした方は、どこから手をつけたらいいのか結構戸惑うらしい・・・という話も聞きました。
・・・なるほど。そうかもしれないですねぇ。

というわけで、楽器のことで思いついたことをちょこっと書いてみようかなぁ・・・と思いました。

二十絃箏、二十五絃箏は、十三絃箏と違って全ての糸がネジで調節できるようになっています。
まぁ、楽器屋さんから糸締めされた状態のまま使ってもいいんですがね、より自分の好みの強さにして弾きやすくするために、糸締めから戻ってきたらちょっとばかり調整するといいかもです。

糸の強さにはそれぞれ好みがあると思うので、それはお好きに。
で、どこかの糸の強さを決めたら、そこを基本にして調節していきます。

例えば・・・

1.(真ん中の黄色の糸(Cの音)を基本とした場合)Cの柱をCの音に調絃する。
2.Cの柱を半音上げてC#の音にする。
3.Cの手前の糸(D)の柱をCの柱からほんの少し右に立てる。
4.Dの糸をネジでDの音に調節する。

↑コレが基本。
ここから、2→3→4を繰り返していきます。
Cから低い柱も同じように半音の間隔を作って調節していきます。凄く低い柱は出来なかったら、まぁそこは適当に。
ちなみに、E→Fと、B→Cの関係は既に半音なので、そこは間隔は作らなくてOK。

こうやって調整しておくと、調が違う曲を演奏してもいちいちネジを使わなくても簡単に調絃変えができるので便利ですし、ネジを頻繁に使わなくていいから何となく楽器にも優しいですね。

・・・わ、分かりますかね?説明ヘタクソですみませーん。
お役に立てれば、これ幸い。
箏を弾かない方には、ワケわからん内容で申し訳ないっす。

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2006年4月15日 (土)

箏の爪

この前、箏爪を新しくしました。
お箏の爪というのは、演奏する時に右手の親指・人差し指・中指にはめる象牙でできた(ギターでいう)ピックのようなものです。その爪に、自分の指のサイズに合わせた「爪の輪」というものをくっつけて使用します。爪は、使おうと思えば半永久的に使えるのですが、爪の輪は消耗品なので定期的に新しいのに付け替えます。気にしない人は気にならないのかもしれませんが、私はこの爪の輪と爪には結構こだわります。楽器屋さんなどに頼めば爪を作ってくれる(爪と爪の輪をつける)こともしてくれますが、私は微妙な角度とかに自分なりの好みがあるので自分で作ります。(といっても毎回上手く作れるわけではないんですけど・・・)前にオーボエの友達が、リードの出来如何で音が全然違うと言っていたのですが、それと同じですね。上出来な爪が作れた後は、演奏のしやすさが全然違うので、作るときは真剣です。

で、私は一応箏(十三絃箏)用、二十五絃箏用、低音二十五絃箏用と、3種類の爪を使い分けてます。主に爪の厚さの違いですが、微妙に大きさとかも違います。爪は本当にちょっとした形の違いで大きく音が変わるので、自分の好みの形を見つけるまでが結構大変です。とか言ってる私もまだ探し中な感じではあるんですけど、今はようやく大体の形が決まってきました。上越の中嶋和楽器さんが扱っている「寿」という爪は、色んな形の爪を揃えてくれていて、とても使いやすいです。今回、二十五絃箏用と低音二十五絃箏用の爪を新しくしたんですが、なかなかいい感じ。これからもっと馴染んできた時が楽しみです。

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